ウォルター少年と、夏の休日
映画「ウォルター少年と、夏の休日」のセリフで英語を学ぼう。
斬り口
He's gone?
問題
下線部を訳してみましょう。
文脈:入院している McCann を見舞いに、親戚が病院にやって来ました。
Relatives : Doctor, where's Mr. McCann? Doctor : Oh. I'm afraid he's gone. ~~~~~~~~~ Relatives : Well, he led a long, full life. Where's the body? Doctor : No, he's gone. Left. Mr. McCann checked himself out.
語彙
-
- body
- [名詞] 遺体
-
- check out
- [熟語] 支払を済ませて立ち去る
解説
's gone という形には2通りの解釈があります。
英熟語
's gone
1. = has gone 行ってしまった(帰ってきていない)
2. = is gone 死んでしまった
go は 第2文型(SV)なので、受動態にできないはずですが、「死ぬ」という意味の場合は例外で、be + gone という形で「死んでしまった」という状態を表します。
下線部の意味はどちらでしょうか?一見だけでは間違えやすいです。それは be afraid という語句が使われているからです。
英熟語
be afraid (that) S + V ~
「残念ながら ~ だと思う」
* that 以下は悪い(マイナスの)内容
be afraid が出てきただけで、よくない話の内容が続くとわかるので、's gone の形が出てきたら「死んでしまった」に解釈したくなります。その意味では、この場面では
I'm afraid ...
だけで、何も言わなくても十分意味が通じます。「残念ながら...」と病院で言えば、何となく何を言わんとしているのかわかるのと一緒です。
Relatives のセリフを見ると、
Where's the body? 遺体はどこですか?
と言っているので、's gone の意味を「お亡くなりになりました」と解釈しています。
しかし、この場面ではこれが違うのです。後ろの方のセリフを見てみましょう。
Relatives : ... Doctor : No, he's gone. = Left. ~~~~~~~~~ ~~~~ = Mr. McCann checked himself out. ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Relatives のセリフを No で否定して、もう一度 he's gone を言い直しています。その後ろの Left「去りました」も Mr. McCann checked himself out「チェックアウトしました」 も he's gone の言い換えです。誤解されてしまったため、別の表現で言い直しているわけです。「死んだ」のではなく、「行ってしまった」という意味で 's gone を使っていたのです。
訳し方としては、日本語でも誤解が起こるように訳せばいいので、
Doctor : Oh. I'm afraid he's gone. 先生 : 先程いかれました
のように「いく」という言葉を使って訳せば、「先程逝かれました」と「先程行かれました」の2パターンに解釈できます。
解答例
「先程いかれました」
対訳
Relatives : Doctor, where's Mr. McCann? 親戚 : 先生。マッケーンさんは? Doctor : Oh. I'm afraid he's gone. 先生 : 先程いかれました Relatives : Well, he led a long, full life. 親戚 : 天寿を全うしたんだわ。 Where's the body? 遺体はどこ? Doctor : No, he's gone. Left. 先生 : いえ、そうではなく、帰ったんです。 Mr. McCann checked himself out. 勝手に退院なされました。